天ぷらは粉が大事!
こんにちは!
お家で天ぷらを揚げてみよう!という事ですが、まず天ぷら自体を家でやるのは、かなり億劫ですよね。
油は跳ねるし、終わった後の油の処理もめんどくさいし、片付けも大変だし、何より美味しく揚がらない (泣)
良い事がありませんね。(笑)
ただ、美味しく揚げれるとなったらどうでしょうか?
カウンターで揚げている時にお客様の声を聞いてみると「家ではなかなか上手く揚がらないんだよね~」と皆様仰います。
火力が違うとか、ベタベタになってしまうとか、油の量が違うとか、確かに難しいですが、粉(揚げるまえの混ぜ合わせた天ぷら粉の事)がしっかり作れれば、ある程度美味しい天ぷらが作れます!
※これから揚げる前の混ぜ合わせた天ぷら粉の事を粉と言います。粉と薄力粉がごっちゃにならないように。薄力粉は薄力粉と言います。
それだけ天ぷらには粉が大事なのです。
良い粉が作れれば、衣や食材の水分を早く抜くことが出来るので(火の通りが早い)、食材の水分が抜け、固くなってしまう前にカリッと揚げる事が出来ます。
さらに良い粉が作れると、食材の香りや食感も活かせる天ぷらになります。これは、脱水のスピードが早い為、香りや食感が飛んでいく前に天ぷらが揚がりきるのです。
火力もご自宅のコンロで十分ですし、油だって、わざわざ胡麻油を使う必要はありません。サラダ油で十分です。
ただ、胡麻油は香りが良いですし、うま味も強い為、もっと拘って美味しい天ぷらを食べるのなら胡麻油でしょう。
まず、最初にお伝えしておきたいのは、時間が経って揚げたてが食べれず、美味しくなくなってしまうのは、お家で天ぷらを揚げる時の悩みですよね。
しかし、それは誰がやってもそうなります。プロがカウンタ―で揚げてもお客様に食べてもらえなければ、美味しくはなくなります。お客様のペースがあるのですが、食べてもらえない時はありますので。
つまり、お家天ぷらに限った事ではないのです。
しかし、粉さえ上手く作れれば、水分を上手く抜き、ベチャベチャになりにくい天ぷらを揚げる事ができるのです。
なぜ、ベチャベチャになりにくいかと言いますと、結局水分がベチャベチャの原因です。
衣というのは、熱から食材を守ってくれます。さらに衣は食材の水分と衣自身の水分を抜いていきます。
これを程よい加減で抜く事によって、ベチャベチャになりにくい天ぷらになるのです。
粉を作ってみよう!
まず、粉を作る前に大事な仕事が二つあります。
- キンキンに冷えた氷水を用意する事
- 薄力粉を冷凍庫で冷やし、ふるいにかけておく事
この二つを絶対にやってほしいのです!!
キンキンに冷えた氷水を用意する理由は、薄力粉の中には、グルテンという粘りの成分があります。
このグルテンというのは、天ぷらの粉を作る時にはあまり出てほしくないのです。
理由は、粘りの原因であり、サクッとした天ぷらが揚がらない為です。
粘りのある粉は空気穴が重みで潰れてしまい、火の通りが悪くなります。
グルテンは低い温度では出にくくなる為、そのため氷水を使うのです。
薄力粉をあらかじめふるいにかけておく理由は、薄力粉の中に空気を含ませる為とサラサラにし水と混ざりやすくする為です。
空気をたくさん含んだ薄力粉は混ぜ合わせる時に溶けやすいというのもありますし、なにより天ぷらがサクサクにカリッと揚がります。
これは、空気をたくさん含んだ粉にはたくさんの空気穴が出来ます。
この空気穴から食材の水分や衣の水分などを早く出すことが出来て、早く火を入れる事が出来ます。
さらに、空気を含んだ粉は、衣が立つのです。衣が立つというのは、衣が油の中で熱せられ、空気穴から一斉に水分が出てきます。その穴から、一気に衣が固まる為、衣が立っているように見えるのです。
衣が立っているととても綺麗ですし、何よりサクサクなのです。
薄力粉をふるいにかけた後に冷やすのも大変なので、薄力粉は買ってきたらそのまま冷凍庫で袋ごと冷やしておきましょう!凍らないので大丈夫です!
そして粉を作る時にふるいにかけましょう!
この二つが用意できましたら、早速粉を作っていきましょう‼
- 氷水200㏄
- 卵
- 薄力粉300㏄~350㏄位
これが粉の割です。
これで数によりますが、大体2~3人前の天ぷらが出来ます。
粉の作り方は人それぞれ違いますが、今日はグルテンが出にくいあまり混ぜないやり方を紹介したしたいと思います。
違うやり方は、また今度紹介しますね!
まず、ボウルを2つ(無ければ1つでも大丈夫です)用意します、片方のボールに氷水で冷やしておいたお水を入れます。そしてお水の後に全卵を入れます。
お水の後に全卵を入れるのがポイントです。卵は水溶性の為、水の中に落とした方が溶けやすいのです。
しっかり混ぜ合わせましょう、沢山気泡が出ますが、取り除かなくても大丈夫です。
しっかり混ざれば卵液の完成です!
次に冷やしておいた薄力粉を入れていきます。
薄力粉を入れる時ですが、何回かに分けて入れていきます。
これには理由がありまして、一回で全て入れようとすると、薄力粉の量が水に対して多すぎて粘りが出やすいです。
この粘りはグルテンですので、天ぷらがカリッと揚がりません。
ですので、3~4回に分けて徐々に入れていくのです。当然回数を増やしていくと薄力粉の量も増えてきますのでグルテン(粘り)が出やすくなります。
3~4回に分けて薄力粉をいれていく!
数回に分ける事で、グルテンも出にくいし、調節が出来る!
では、1回目の薄力粉を入れていきましょう。
1回目はまだ薄力粉の量も少ない為、粘りが出にくいです。
ホイッパーを使って混ぜてくのですが、簡単なやり方が、上からホイッパーをトントンと落としていくのです。
このやり方のメリットは、しっかり混ぜない為、粘りが出にくいのです。あくまで、軽~くホイッパーを落としていくイメージです。
トントンと落としていき、薄力粉を混ぜ合わせるのです。
これを薄力粉が無くなるまでやり、しっかりと卵液と薄力粉が混ざり終えたら一回目は終了です。しかしこれではまだ、シャビシャビなので,薄力粉を足していきます。
では、2回目です。
まだ2回目でも粘りは出にくいと思います。工程は同じです。
トントンと落としていき2回目も薄力粉はしっかりと混ざるようにしましょう!
3回目です。
3回目は今までに入れてきた薄力粉が入っているので、粘りが出やすくなっています。ですので、ここからは、調節と思って下さい!
3~4回目は決まった分量を入れても微妙に濃度が変わってきます。少しずつ薄力粉を足していきながら、ホイッパーで混ぜつつ濃度を決めていきましょう。
湿度や、ホイッパーの落とし方、薄力粉をふるいでふった時の空気の含み方、氷水の温度などで変わってくるのです。
最終的に、ホイッパーを上に上げてみて衣が水のようにシャビシャビに落ちなければ完成です。
ちょっと足りないなと思ったら、少しだけ粉を足してみたり、重いなと思ったら氷水を足したり調節しましょう。
作り終えたら、用意しておいたもう1つのボウルに移し替えます。
なぜ移し替えるかというと、粉を作ってたボウルには周りに薄力粉が付いてるので、それが途中で落ち微妙に濃度が変わってくるのです。
見栄えも悪いですしね。
しかしこれは天ぷら屋さんの仕事で、そこまで拘る必要は無いかもしれません。(笑)
たまに、出来上がった粉の中に氷を入れてるのを見ますが、絶対に止めた方が良いです。
冷えた温度を保ちたいのでしょうが、氷が溶けてシャビシャビになり油の中ではねるので、安定した粉になりません。おススメはしません。最初に冷えた氷水を用意すれば十分ですので。
こちらで粉の作り方は以上になります。
なかなか言葉では難しいとこもあるので、動画を張りますので参考にして見て下さい。配合なども同じでやっておりますので、どんな感じで混ぜるのか、最終的にどれ位の濃度なのかをチェックしてみて下さいね。
最初にもお伝えした通り、粉さえ作れてしまえば、美味しい天ぷらが出来ます。
しかし粉を作るのはとても難しいので、何回か挑戦してみて、ホイッパーの重みだったり、濃度だったりと肌感覚で覚えていくのが大切です。
粉が出来たら次は食材を揚げていきましょう!!
では、今回はこれで。