なぜイカは揚げ物にすると爆発するのか?
皆様こんにちは!
今日は、イカの天ぷらの紹介です。
イカの天ぷらを作る時に問題なのが、イカが爆発してしまう事ではないでしょうか?
天ぷらに限らず、イカの唐揚げやフライなどは爆破しやすいですね。
めちゃくちゃ油が飛びますし、火傷の危険もある為、敬遠されがちですね。
そもそもイカが爆発する理由は、イカには表裏に皮が付いており、その皮に水分が溜まり、その溜まった水分が耐えられなくなり、爆発するのです。
つまり、皮さえ取ってしまえば、水分が蒸発しやすくなる為、爆発するリスクが下がるわけです。
しかし、イカの表皮は4層になっているのですが、途中から身にしっかりくっ付いている為、なかなか外すのが難しいという問題もあります。
ここが大事!イカの仕込み方と膜の取り方
今日はスミイカで説明します。
ちなみに、夏に美味しいのがアオリイカ、秋~冬がスミイカが美味しいです。夏の終わりから秋の初めに出回るシンイカというイカもいます。こちらは、スミイカの赤ちゃんで、とても柔らかく、甘味があるのが特徴です。すぐに大きくなってしまう為、短い間しか出回らないのが特徴です。
まずスミイカの場合は、甲を外します。先が尖っているので、突き破るようにして出します。
次は、内臓を外します。足を持って頭の方に引っ張ると足と一緒に内臓も取れます。これで胴体と足が外れました。
内臓 足から引っ張ると内臓もくっ付いてくる
今回は、ゲソはつかいません。
胴体の皮を外します。この時に耳のようなエンペラも外します。皮が剥けて、真っ白になりました。
裏側に軟骨が2つ付いているので、切り取ります。
そして、端っこの身は固いので切り取ります。
軟骨を外す 外側の身は固いので切る
ここから薄皮を剥いていきます。薄皮は、身に密着している為なかなか取りずらいです。
まず、表の薄皮を剥いていきます。
軟骨が付いていた面(裏面)の下の方に切り込みを入れます。切り込みを入れるだけで切り落としてはいけません。切り込みを入れたら、ひっくり返して、切り込みを入れたとこから引っぱると薄皮も一緒に剥けていきます。
切り込みだけ入れる ひっくり返して切り込みから薄皮を剝いていく 途中で切れないように慎重に
途中で薄皮が切れてしまったら、切れてしまったところから剥いて下さい。これでおもて面の薄皮が取れました。
次は裏面の皮を剥いていきます。工程は同じです。裏面の皮を剥くには、イカをおもて面にむけて、下の端っこか、上の端っこに切り込みを入れます。切り落とさずにひっくり返して、切り込みを入れたとこから剝いていきます。
両面の薄皮が取れれば完成です!しっかり水気を拭き取ります。
最初にも申しましたが、爆発する理由は、薄皮により水分が溜まってしまい、蒸発出来ずに爆発するのです。つまり薄皮を取れば、水分の逃げ道が出来るので爆発がしにくくなるのですね。
ちなみに、ゲソを天ぷらにや唐揚げにしたい時ですが、ゲソの方が胴体より爆発しやすいです。ゲソが爆発する理由も胴体と一緒で、吸盤の中の水分が溜まりやすくなっていて、熱を加えられてどんどん水分が溜まっていき、耐えられなくなり爆発します。
ですので、ゲソを揚げ物にする場合は、吸盤を包丁で切り落とすのが良いと思います。炒め物などは、衣などが無い分、比較的爆発はしにくいようです。
イカの天ぷら 柔らかく揚げる方法
ここからはイカを天ぷらにしていきます。
イカは、熱を加えると固くなってしまいます。もともと身自体が固いのもありますが、イカは、魚よりも水分を多く含んでいる為、熱を加えると水分がたくさん飛んでいく為、固くなりやすいです。
そんなイカを柔らかくする方法は、身の内部温度を66℃付近の熱量で止める、短時間加熱方法と、逆に80℃以上で10分以上熱を加えて、身の細胞を壊す、長時間加熱方がありますが、天ぷらには長時間加熱方は不向き過ぎるので、短時間加熱方で揚げていきます。
まず仕込みしたイカに打ち粉を付けます。身自体がツルツルしているので、粉が付きにくいです。短時間加熱で揚げていくので、余分な打ち粉は必ず落として下さい。打ち粉が残ると重い天ぷらになりやすいです。
粉自体もしっかり落とします。粉が多くても重い天ぷらになりますし、多すぎてはサクッと揚がりにくいです。
打ち粉をしっかり落とす 粉をしっかり落とす
油に入れていきます。油の温度は、170℃位で丁度良いと思います。あまり高すぎると、身の温度が高くなりやすいので170℃以上で揚げる必要はありません。
最初は粉と泡が激しく散ります。その後に泡が落ち着いて、微妙ですが少し軽くなります。それ位で取り出します。少し早めだと感じられますが、余熱でも火は入りますし、すぐに固くなってしましますので。逆にこれ位で取り出した方が、甘味も伝わりますし、柔らかく美味しいと感じられるイカになると思います。
油に入れた直後 激しく泡が散る 少し泡が緩んできた
こんな感じで揚がりました。
中は少しレアな状態
イカの天ぷらは、捌くとこからやろうとしたら結構な手間ですが、スーパーなどでは切り身の状態で売ってあるので、是非一度やってみて下さい!
それでは今回はこれで!