天ぷらの魅力

天ぷらが食べたくなる話

天ぷらは素材のうま味を強く感じる調理法  

それは、天ぷらがうま味や香りを衣で閉じ込め、さらに揚げ時間の調節

や火加減より食材のうま味を引き出す調理法だからです

よく天ぷらは、揚げ物でありながら蒸し料理であると言われています。

これは、まず食材を衣にくぐらして油に入れる、そして高温の油で熱せられ

衣の水分が蒸発していきます。

衣の水分が抜けてきたとこに油が入ってきます。

油が入ってくると言う事は当然中の食材の温度も上昇しますね。

中の食材にも水分が含まれている為、食材自体の水分が上昇していき、

食材の水分で蒸されている状態になる訳です。

さらに、水と油は交わらない性質があるので、食材に水分が含んでいるうちは食材に油が付きにくく油っぽくなりにくいのです。

食材の水分が抜けきってしまうと、反発(食材の水分と)出来ないので油がどんどん入ってきて食材にくっつき油っぽい天ぷらになってしまいます。

つまり、食材の水分があるうちに油から取り出す事で食材のうま味と香りを

含んだ天ぷらになるのです。

中の食材は衣でコーティングされている為、温度が逃げにくく、さらに食材

自体の水分を使い火を通していくので、天ぷらは揚げ物でありながら蒸し物

であると言われています。

そして、衣が香りとうま味を外に逃げるのを守ってくれて食べた時にうま味

が広がる美味しい天ぷらになるのです。

コースで1品1品食べる美味しさ

お店のスタイルによると思いますが、カウンターでは一品一品天ぷらがでて

来るお店が多いと思います。

この順番も天ぷらをより美味しく食べて頂けるように考えられています。

よくお寿司屋さんで味の淡泊なものから味が濃いものに、と言われています

がそれもあてはまりますね。

胃を少しずつ慣らしていき美味しいと感じてもらうための心意気ですね。

天ぷらと言えば海老という事で海老を最初に出すお店が多いですが、どうし

てもこの食材を最初に食べてもらいたいと、あえて違う魚などをお出しする

お店もありますね。

どのお店もこだわりがあり、思いがあるのです。

そういう思いを感じながら食べると、よりいっそう美味しく感じますし

何よりお店の思いやこだわりを感じられる瞬間です。

季節の食材を楽しむ

どの料理でもそうですが、季節を大事にするというのが料理では大事です。

当然、天ぷらでも同じでとても大事なところです。

季節の食材というのはある程度時期が決まっています。

もちろん一年中で回っている食材もありますが、この期間のこの時だけとい

うのが魅力です。

例えばつい最近うちのお店であった話です。

八百屋さんが、もうそろそろ青柚子が終わりで黄柚子になります。一応

青柚子の中で一番良いものは選んでは来ましたが、もうそろそろ変え頃だと

思いますよ。

と仰っていただきました。

それを聞いて明日から黄柚子を使う事になりました。

うちのお店では柚子は天丼に天盛りとして使っています。

この八百屋さんの一言だけでも八百屋さんもお店も季節を大事にしてるとい

うのが分かりますよね!

柚子の香り一つでも一つの料理を作るうえでとても大事なのです。

その大事な季節感を食べる人も知ってるとより一層美味しく感じるはずです

よ。

〆に食べる天丼の美味しさ 天茶の美味しさ

天ぷらコースの最後の〆といえば天丼と天茶ですね。

天ぷら専門店では,だいたいどちらかを選べるお店が多いです。

天丼の楽しみといったらかき揚げと、ご飯と丼つゆとのマッチです。

香ばしく揚がったかき揚げに甘辛いつゆをかける。ご飯の甘味と

海老のかき揚げの甘味やうま味、さらにつゆのうま味が加わる。

あの絶妙なバランスがたまらない😊

それぞれが別の味であるから全く、くどさなどは感じない。

さらに天丼のかき揚げは、お店にもよるが、つゆがかかってもふやけないよ

うに水分を少し多めに飛ばしている。これをすることによってカリッと

とても食感がいい天丼になる。

そしてだいたい汁物も一緒に付いてきます。赤だしやみそ汁といったとこが

多いが、天丼は甘辛い味で汁物は塩味とうま味の味になるので相互作用が働

き美味しさが倍増するのです。

さて、天茶はどうだろうか、天茶はお店によって味が大きく変わる。

それは、天茶漬けのだしにお煎茶を使うお店もあるし、かつお出汁を使うお

店もあるからだ。お煎茶ならお茶の香りとお茶のうま味が、かき揚げにしっ

かり染みこんで〆の食事にはピッタリになる。

かつお出汁は塩味との相性が抜群で出汁が引き立つ香りがいい天茶になる。

これもお店によって違うが天丼と同様揚げ方を少し変えている。

天茶はレンゲで食べる事が多くホロホロと崩れやすいように揚げ時間を

短めにしている事がある。

これによって食べやすく、柔らかいかき揚げになる。

つまり、天丼と天茶で揚げ時間を変えているのです。

同じかき揚げを揚げるのだが、少し工夫しているのですね。

まとめ

天ぷらの調理法

天ぷらというのは揚げる事により衣の水分を抜いて、油を中に入れ食材自体

の水分で火を通していく特殊な調理法です。

コースで一品一品食べる美味しさ

天ぷらコースにはお店のお客様に対する思いや、お店のこだわりが詰まって

います。

そのお店の考え方などを感じるとより天ぷらを食べるのが楽しくなりますし

何より美味しく感じます。

季節の食材

季節の食材は一年で一番美味しいときです。

料理をする方だけではなく、様々な方の思いが詰まっています。

季節の食材を食べてるんだと感じたり、知る事でもっともっと

美味しくなります。

〆の天丼 天茶

天ぷらコースには〆の食事があり,だいたいは天丼か天茶か選べます。

天丼にはかき揚げに甘辛いつゆがかかっており、それぞれのうま味や

甘味が楽しめます。赤だしなどの汁物も天丼との相性がよく合います。

天茶はお店によってお煎茶やかつお出汁などそれぞれ違います。

また、揚げ加減も同じかき揚げですが違いがでます。